ポモドーロテクニックを実践している
私は集中力が切れると多様な行動をとる。コーヒーをゆっくり淹れてみたり、散歩に出たり、スマホをだらだら見てしまったりする。そこから復帰して、もう一度集中的な意識に戻れることもあれば、そうでないこともある。全然集中できない日もあれば、一日中集中できる日もある。
集中力とはそういう気まぐれなものであると捉えることもできるが、自分の能力を超えた高い目標を持っているときはそう言ってもいられない。
私は自分の集中力が安定して続かないことに対してどう対処すれば良いのかわからないでいた。
ポモドーロテクニックを知ったきっかけ
「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」という本で、ポモドーロテクニックが紹介されていた。 ポモドーロテクニックは、25分の作業と5分休息のセットを1ポモドーロとし、それを繰り返していくという時間管理法である。
The Pomodoro® Techniquefrancescocirillo.com
ポモドーロテクニックを使った作業は次の流れになる。
- やるべきタスクを洗い出す
- 各タスクが何ポモドーロかかるのかを見積る
- 一定期間にこなせるタスクをピックアップし、タイムライン上の実行計画に落とし込む
- 25分の作業と5分の休息を繰り返しながら、計画にそって実行していく(見積をオーバーしたり早く終わった時の対応は人によって異なる)
- 一定期間が終わったら振り返りをする
前述の本では、このシンプルな時間管理がいかに強力かという説明がなされている。その説明の中にはポモドーロテクニックが集中力の管理にも関係していると書かかれており、自分も興味を持った。
実践した感想
1週間ほどポモドーロテクニックを実際に試してみたので、その感想を書こうと思う。
結論、かなり使えるテクニックだと感じた。
私自身、なぜポモドーロテクニックが強力なのかを完全に整理できていないが、ぱっと考えた限りで以下の効果があるように感じる。
- 1ポモドーロは短い時間なので、集中力を維持しながらタスクをやり遂げられる。一言でいえば、ダレない。
- 休息を正当化できるのでメンタルに良い
- タスクに必要な時間を正確に見積もれるようになる。よって正確な計画を立てられるようになる。
- 思考を集中させるべきときと発散させるべきとき(計画を立てる時)が分けられているため、今やるべきことがはっきりする。
個人的には、「SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル」に書かれていることが一番しっくりきた。
問題は、一日にどれだけの仕事を終わらせたかが正確に評価できず、どれだけの仕事を達成すべきかについての明確な目標を持てないことによって生まれている。
この問題に対する解決策としてポモドーロテクニックが機能するのである。
不確実な状況で計画を立てるということ
ポモドーロテクニックの根っこにある考え方はアジャイル開発と同じである。
アジャイル開発ではストーリーポイントでタスクを見積もるように、ポモドーロテクニックではポモドーロで見積もる。それを元に不確実な中でもある程度正確な中長期の計画を立てる。一定期間のPDCAサイクルを繰り返していくうちに、計画が正確なものになっていき、目標を安定して達成できるようになる。
異なる点としては、ポモドーロテクニックでは不確実性が自分の体調や心理状態からくるのに対して、アジャイル開発では不確実性が外部環境からくるという点だ。外部環境には、事業の進捗や事業環境に加えて、自分以外のチームメンバーも含まれる。
アジャイル開発では、チーム内のメンバーによって、そのタスクを終わらせられる時間が異なる。だから、相対的な単位として、ストーリーポイントを持ち出さなければならない。それを絶対的なデッドラインに合わせるために、スコープを狭めなければならないこともある。
このことから、個人的にはポモドーロテクニックよりアジャイル開発の方が運用が難しいと思う。
ポモドーロテクニックは、個人レベルで導入できるイテレーティブな計画法だと言える。そのため、アジャイル開発におけるストーリーやバッファについての考え方も、ポモドーロに当てはめて応用するできると思う。
まとめ
私はこれからもポモドーロテクニックを実践していく予定だ。アジャイル開発の知識や経験を活かして、自分なりのアレンジも加えていけたらいいなと考えている。
あなたがもしポモドーロテクニックに少しでも興味を持ったなら、まずは1日実践してみるとどうだろうか。